どうも,岩本鑑糵です.
どんどん派生していくのが「育てる博物館」,今度のテーマは「油」です.
以下のリンクで,「Googleマイマップ」が開きます.
https://www.google.com/maps/d/edit?mid=1Z3vS3N6hopPD7wOICVAXjNlGwY-8wRU&usp=drive_link
前回,永平寺町の「葉っぱずし」をご紹介しました.
そこで使われていたのは,アブラギリの葉っぱ.
「永平寺町の木」であり,「おすしの木」とも呼ばれているようですが,
その名の示す通り実から桐油が採れ,かつては重要な燃料であり撥水剤などとしても使われました.
同じ福井県内だと,若狭はかつて全国トップクラスの桐油の産地でした.
江戸幕府老中も務めた酒井忠勝が,寛永11年(1634年)に武蔵川越から若狭小浜の藩主に国替えとなり,
そこでアブラギリ(当地では「コロビ」と呼ぶ)の栽培と製油を奨励しました.
この殿様やり手だったようですが,小浜城築城のために重税を課し,抗議した庄屋を処刑するというなかなか苛烈なことをやっています.
アブラギリは藩の財政上も重要な位置づけだったのです.
かつては領内の各地に植えられていたアブラギリも,石油の普及とともに生産は激減しました.
しかし現在,小浜市でアブラギリを活用しようというプロジェクトが進行中です.
参考: https://www.kaminegori.com/活動記録/アブラギリの活用/
NPOと市,それに県や地元の高校も巻き込んだ活動です.
第1回でご紹介した「鯖街道」の針畑越えルート沿い,今は無住になっている上根来(かみねごり)地区でアブラギリの実を集め,油を搾り,
和傘に塗ったり,祭りの山車の修復に用いたり.
へしこを使った葉っぱずしの開発や,キノコ栽培への利用などにも取り組んでいるようです.
歴史を紐解くことで,「何をするのか」「なぜここなのか」がはっきりする.
なぜ歴史を学ぶのか,そのひとつの答えを見た気がしました.